スペシャリストになろう

　専門学校での毎日は刺激の連続でした。大勢の個性の強いクラスメイトや先生たちから、たくさんの気づきをもらいました。デザインや色づかいでも新鮮な発見の連続で、無難なデザインをしがちだった私が、自分の殻を破ることができたのは、“個性的な”仲間たちのおかげです。私はインテリアデザイン科でしたが、ほかの学科の学生や先生たちと知り合う機会も多く、自分が持っていない感覚をたくさん吸収できたことも、自分の表現の幅を広げることにつながりました。

　学びを、社会に出てから役立つスキルに変えていくために大切なことの１つは、自分から積極的に動くことだと思います。私は、授業が終わったあとにも、先生たちに質問したり相談したりするなど、自分から関わるようにしていましたし、他学科の先生たちにも積極的に話を聞きにいきました。どの先生も、とても親身になってくれて、たくさんの選択肢を私に示してくれましたし、3Dや図面描きソフトなどの基本スキルもしっかり身につけることができました。こうした経験は社会に出てから大きな武器になりました。

　今、私はスーパーマーケットを中心とした店内のデザインを手がけています。通路の幅や天井の高さなど、お店によって空間の規模もスタイルも異なります。それぞれの店舗のスタイルや客層に見合ったサイズやデザインが求められます。お店を利用する人にとって買いやすく、購買意欲を高めるような売り場を意識しながら、お店のこだわりに寄り添ったプランをご提案しています。時には20もの案をご提示することもあります。

　プライベートで出かけた時も、ついつい店内の様子やデザインをチェックしてしまいます。少し前は、木目調のナチュラルなテイストが流行っていましたが、そうした傾向も意識しつつデザインやプランをご提案します。自分のデザインが実際に形になったのを目にした瞬間の喜びは、なにものにも代えがたいですね。