その尺度とは「社会のなかでどんなポジションに就きたいのか」。仕事の技能には大きくわけて、現実の社会ですぐに役立つものと、大きな目で見てその分野の発展に貢献するものがあります。前者を「職業的技能」、後者を「学術的才能」と言い換えてもいいでしょう。じっくり話し合った結果、もしお子さんが前者の方向を望むとすれば、即戦力に近い技能を学校で身に付けることは、入社後ゼロからの新人教育が難しくなったいまの時代、大きな武器になることは言うまでもありません。そして即戦力として役立つ実力の養成を目的とした、職業教育の高等教育機関が専門学校です。
専門学校の魅力はなんといっても実習や実技の時間が多いこと。カリキュラムの半分近くは実技などの時間で、講師も現役で活躍する人を招くなど、興味が持てるよう工夫されています。同じ夢を持つ仲間と励ましあえるのも、最後までやりとげる原動力になるでしょう。
社会構造の変化に伴い、雇用環境や求められる職業は激変しています。コンピュータ関連や介護・福祉職をはじめ、求められる職業教育を時代に即したカリキュラムでいち早く提供できるのも専門学校です。さらに、平成26年度からは文部科学大臣が認定する「職業実践専門課程」がスタートしました。これは企業等と連携して今まで以上に実践的、専門的なカリキュラムを備えた学科に認定されるもので、令和3年4月現在、東京都内では150校540学科が認定を受け、今後も増えていく予定です。
そして就職となると専門学校は圧倒的な強さを誇ります。平成29年3月の大学新規卒業者の就職率75.4%に対し、専門学校は76.1%。学びに直結する分野の就職希望者に絞ると9割を超えるのは、即戦力を養う教育力に加え、学校と産業界が太いパイプを持つところが多いからです。企業からは専門学校に対し「ビジネスの現場に近く即戦力に期待できる」「自分の進む道をはっきり決めている分、モチベーションが違う」という声も数多く寄せられています。好きなコトを“確実”に仕事にするなら専門学校。その傾向はますます強まっているといえます。