令和5年3月に全国の高校および中等教育学校を卒業した96万2千人の進路の内訳は、56.8%(54万6千人)が大学進学、16.2%(15万6千人)が専門学校進学となっています。これに短大進学3.4%(3万3千人)を合わせると、全体の76.4%、4人のうち3人が高等教育機関に進学していることになります。令和に入って5割の大台に乗った大学進学率は、4年度は2.4ポイント上昇、5年度はさらに1.5ポイントアップと増加スピードが加速しています。卒業者総数が3万3千人も減少しているなかで、大学は進学者実数も増やしています。一方で前年比マイナス0.5ポイントとなったのが就職者で、実数でも約9千人減り、その分、進学率を押し上げる形となりました。不透明な先行きを見極めるため進学を選択したという生徒も少なくないでしょう。
それでも若年労働者の人手不足は各業界で今後も深刻化していきます。大学にしろ専門学校にしろ「何を学んだのか」「何ができるのか」が問われ、学歴以外の部分でアピールできる能力が求められています。しっかりと将来設計を考えさせるキャリア教育の浸透もあって、専門学校への進学者は今後も一定の割合で推移していくと見られます。
専門学校の入学資格は原則として「高等学校卒業程度以上」で「年齢が18歳以上」と定められています。では高校を卒業していなければ専門学校に入れないかというと、そうとは限りません。まず、高校に行かなかったとしても高校卒業程度認定試験に合格していればもちろんOK。また、専修学校高等課程(高等専修学校)の3年制以上の学科を卒業していれば、それも高卒と同じです。ほかにも海外の日本人学校や、日本国内の外国人学校を卒業した人も高卒と同様に扱われます。最近多いのが民間のフリースクールやサポート校に通っていたケースです。高校の通信課程などと連携したカリキュラムであれば問題ありません。また正式に高校卒業の資格が得られないとしても、18歳以上で「どうしても専門学校で勉強したい」という強い意思があるならば、入学を希望する専門学校に相談してみてください。それぞれの専門学校長の判断で「高等卒業と同等の学力がある」と認定されれば入学が許可される場合があります。