直前の1年間に、すべてのベクトルを試験に向けて全力投球
建物の設計、施工、工事管理などを行う。建築士の資格には一級、二級、木造の3種類があり、扱える建物の規模が異なる。一級を受験するには認定校卒業後、4年間の実務経験が必要。平成25年度=合格率(学科・製図の総合)12.7%。
一番大切なのは、なんといっても集中力。試験を受けるには4年間の実務経験が必要ですが、私の場合は最後の1年間に集中して勉強していました。仕事もできるだけセーブして、遊びももちろん我慢(笑)。同じ苦しみをもう1年味わうのは絶対にいやだったので、「この1回で何がなんでも合格して楽になるんだ!」と自分に言い聞かせ、まさに背水の陣で勉強に明け暮れていました。
人によるかもしれませんが、最初の3年間は試験のことを忘れ、仕事やプライベートを充実させた方が最後の1年に集中できるんじゃないでしょうか。4年間は長いので、ダラダラと試験のことを考えるより、2年前から「いよいよ来年だな」と意識しはじめ、直前の1年間に全力投球した方がいいと思います。
とはいえ、仕事をしながらの勉強は本当に大変。毎日の仕事に追われて時間が作れず、思うように進まないことも多々あります。そんなときには同級生たちと進み具合を確認し合うことがいい気分転換なっていました。もともとマイペースな性格なので、あまり人と比べたり、競争意識を持つ方じゃないんですが、このときだけは別。わざと意識して「絶対に負けない!」と思い込むようにしていました。眠くてしょうがないときにも、「いまここで眠ったら、その間、誰かが追い抜いていくんだ」と自分にムチを打つ。ここまでくると、もはやマインドコントロールの域ですね(笑)。
具体的な勉強方法としては、いろんな問題集に手を出すより、問題文を覚えてしまうくらい徹底して1冊をやり込むこと。図面については、とにかく描いて描いて描きまくるしかありません。その際、必ず本番と同じように時間を計ること。最初は時間が全然足りなくても、ふとした瞬間から時間内に出来るようになる。あれこれ考えずに、無我夢中で手を動かしていると、自分なりにパターンが見えてくるんです。ちなみに一緒に試験勉強をした人たちとは、いまもいい仲間。集まればいまだに試験勉強時代の話が出てきます。すごく大変だったけど、だからこそ、いまではいい思い出です。